2022年03月24日

ジョージア、ウクライナ、次は日本、シンガポール

シンガポールは、ロシアのプーチン大統領にとって困ったときの「頼みの綱」役を演じるのを断った。国連安全保障理事会が法的拘束力のある決議を採択していないにもかかわらず、シンガポールが特定のロシアの銀行や貿易に制裁を科すと決めたことは、中立的な金融センターとして知られる同国としては英断だ。アジアにおけるロシアの経済的地位の縮小を浮き彫りにすることにもなった。

ジョージア、ウクライナ、次は日本、シンガポール




小さな都市国家のシンガポールにとって、ロシアのウクライナ侵攻という「力は正義」(シンガポールのバラクリシュナン外相)の地政学に立ち向かうことで失うものはほとんどない。ロシアとの直接的な金融関係は小さい。またウクライナ問題に関して西側に味方したことで、シンガポールにとって最大の貿易相手国である中国を直ちに怒らせる結果にはなっていない。習近平国家主席はロシアの侵攻への非難を避けながらも、侵攻によって東欧諸国における中国の「一帯一路」プロジェクトに打撃が及ぶのを最小限に食い止めようと奔走中だ。

かたや十年前からアジアに軸足を移してきたロシアにとって、シンガポールの制裁は大打撃となる。制裁はロシアの4銀行を対象にしているほか、電子製品、コンピューター、戦略物資の輸出禁止も含むものだ。

ロシアが2014年にクリミア半島を強制編入して以来、中国と の二国間貿易は50%以上増え、中国の通関データによると昨年は過去最高の1470億ドルを記録した。ロシアは現在、中国以外のアジア諸国にも影響を広げようと取り組んでいるが、特筆すべきことに、ロシアの貿易相手上位5カ国に他のアジア主要国は入っていない。

ロシアは中国依存が強まり過ぎることを懸念し、他の国々との関係醸成に腐心してきた。昨年12月には、ロシアが主導するユーラシア経済連合(EEU)とシンガポールとの自由貿易協定に関する進展に喜びの声を上げたばかりだ。ロシアにとって、東南アジアの玄関口であるシンガポールは穀物を含む輸出の重要な拠点となるはずだった。しかしその動きがしばらく止まりそうだ。

アジア地域ではシンガポールのほか、日本、韓国、台湾も対ロシア制裁を発表している。態度を表明していないアジア諸国においてさえ、日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」など米国主導の同盟の影響力が拡大していることで、ロシアがエネルギー以外を輸出する機会は狭まっている。例えばインドでは、ロシアの輸出業者が長年にわたり原子力発電所や武器庫の建設を支援してきたが、米国はそうした分野でもインドとの協力を拡大している。制裁が発動した今、アジアはもうやすやすとロシアの頼みの綱にはならないだろう。

*シンガポールは5日、ロシアの銀行との取引制限や電子製品、コンピューター、戦略物資の輸出禁止を含む制裁の詳細を発表した。シンガポール国内の金融機関がロシア政府による資金調達を助けるサービスを提供することや、デジタル決済業者が金融制裁の迂回につながる手続きに携わることも禁止した。

*シンガポールのバラクリシュナン外相は2月28日に制裁を発表した当初、ロシアのウクライナ侵攻は受け入れられず、国際的な規範を大きく侵害するものだと表現。「『力が正義』であるところに世界秩序は存在し得ない」と述べた。

リリーコンシェルジュ株式会社のボランティア修理担当が社長のブログをお借りして、発言させていただきました。


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Posted by リリー at 07:34│Comments(0)戦争反対
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