2019年08月20日

物件選びこそが全て

「名代富士そば」を展開するダイタングループの丹道夫会長は、「物件選びこそが全て」と言い、自らを「物件を探す天才」と呼ぶ。
 マクドナルドの社長も同じことを言っている。すなわち、飲食は、不動産業だ。
物件選びこそが全て

 儲かる立ち食いそばの物件選びには、どのような極意があるのだろうか。
 立ち食いそばを始めてから、ずっと夢に見ていたことがある。毎朝、不動産屋さんから物件の情報が入ってくること。最近、それがようやく現実のものになった。
 東京・渋谷区にあるオフィスには毎日、不動産屋さんから約30枚のファックスが届く。すべて物件に関する情報だ。常務たちはそれを見て、下見へ出かけていく。
 出店候補の物件を探してくるのは、常務たちの重要な仕事だ。良い物件があると、私のところへ「見てください」と資料を持ってくる。
 立ち食いそばには、それに見合った店舗の広さがある。目安はおおよそ20坪。広くても30坪がせいぜいだ。
 出店を検討する際には、必ず最寄り駅の乗降客数を調べる。朝昼晩、そして深夜。どの程度の人が通るかを見るわけだが、とりわけ重要なのは朝だ。帰る時間帯はバラバラでも、出勤時間帯はほぼ同じ。朝降りた人は帰りも同じ駅から乗る確率が高い。朝の時間帯にどれだけの人が降りるのか、を見ればおおよその見当はつく。
 そのため、物件の情報が上がってきたら、まず、午前8時頃の最寄り駅の様子を見に行く。出店の基準にしているのは「5分間に100人以上通るかどうか」。長いことこの商売をやっているため、ざっと眺めただけで、だいたいの人数がわかる。5分間に600人くらい通っているだろうと思ったら、案の定、650人くらいだった。足元を眺めて、地面が見えるか見えないかだけでも判断はつく。
 理想的なのは、大きな交差点に接する角地にある物件だ。加えて、見るのは通行人の「色」。女性は赤や黄色などのカラフルな色の服を着ているが、サラリーマンはほとんどが黒っぽいスーツを着ている。立ち食いそばを好むお客さんの多くはサラリーマンだから、色は黒っぽいほどいい。
 候補の物件は多くても、実際に出店に至るケースはほとんどない。たいていの場合、私はほんの数秒、現地を見ただけで「これはダメだ」と判断する。ちょっとでもダメだと思ったら、その時点できっぱりあきらめる。そのあまりの判断の速さから、みんなには、「秒殺」と呼ばれているほどだ。
「秒殺」するのには理由がある。イタリアンやフレンチレストランならば、ちょっと遠くても食べに行こう、という人がいるだろう。しかし、立ち食いそばには、それほど人を引きつける力はない。多少遠くても立ち食いそばを食べるためにわざわざ足を運ぼうという人はほとんどいないから、駅の近くでないと成功しない。そういう意味では、半歩でも駅に近い方がいい。
 よく、「富士そばはいい場所にありますね」と言われるが、それは単に「立地がいい」というだけではなく、「ちょうどお腹が空いた時に入れる場所にある」ということだと思っている。小腹が空いた時に気楽に立ち寄れる場所にあるかどうか、も重要なポイントだ。
 立ち食いそばが成功するか否かは、物件がすべてだといってもいい。飲食業だけれども、実態は不動産業に近い。私自身、そばにはそれほど詳しくないが、物件探しに関しては見る目がある、と言われる。物件探しの天才かもしれない。
 いい物件はなかなか出てこないから、物件探しには粘り強さがいる。何十年とこの商売をやっていても、下見に行く際には緊張する。それだけの心構えをして行くし、神経を使うため疲れる。
 事前にデータは上がってくるけれども、実際に見に行かないとわからないこともたくさんあるから、物件探しは怖い。例えば、最近「秒殺」したケースで、こんなことがあった。
 最寄り駅の乗降客数だけを見れば、たしかに繁盛しそうな場所だった。しかし、実際、現地に足を運んでみると、近くに病院があることが分かった。通る人は医師と看護師、それと患者さん。これではいくら通行人の数が多くても、立ち食いそばは儲からない。
 第一印象でダメだと判断したら、それ以上の調査はしない。調査をすればするだけ、良い点が目に入ってくる。そうすると、人間は欲があるから「もしかしたらうまくいくんじゃないか」と思ってしまう。「秒殺」にも意味があるのだ。
 最近、「地方にも出店してほしい」という依頼がくるが、出店するのは首都圏に限定している。先ほど言ったように、「立ち食いそば」という業態は「5分間に100人以上」の人通りのないところでは、とても成り立たない商売だからだ。
 物件の条件が良いことに加えて、立ち食いそばが成功する秘訣は「安くて、おいしい」こと。腕の立つ料理人はいらない。お店にどんな人が来て、どんなメニューが売れるか、は店のスタッフが一番よく知っている。だから、もりそば、ざるそば、天ぷらそばの定番メニュー以外の構成は、すべて社員に任せている。
 富士そばには商品企画部など、メニューを担当する部署はない。店のメニューを決めるのは係長と店長で、メニュー構成は店舗ごとに違う。渋谷など若い人が多い街では、肉がたっぷり入ったボリューム系が人気だし、お年寄りの多い街では、さっぱり系が好まれる。自分が提案したメニューが採用されて売れれば、仕事も楽しいだろう。だから、一風変わったメニューでも、基本的には一度店に出してみることにしている。
 かなり変わったものだと、そばの上に焼いたトーストをのせた「トーストそば」なんていうメニュー案が上がってきたことがあった。案の定、売れなかったが、それでもいいのだ。
「思いついたアイデアは全部出してくれ」と社員には伝えてある。全店舗に広がるようなメニューを考案した社員には「ホームラン賞」として報奨金を出しているし、私のところまで上がってきたメニューは、これまで、一度も却下したことはない。
 ただ、1つだけ決めていることがある。それは原価率。27%の原価率を維持しながら、その範囲内でどこまでおいしくできるか、が勝負だ。
外食産業の中で、立ち食いそばの利益率はいい方だと思う。それでも大手が参入してこないのは、なかなかいい物件が出てこないから。たまに参入してきても、我慢できなくてやめてしまう。
 富士そばでは、かけそばが300円。サラリーマンが気兼ねなく食べられる値段設定を心がけている。今の時代、500円だと少し気になってしまうだろう。300円以下なら、あまり考えなくてもお金を出してくれる。かけそばを「270円に下げよう」と提案してくる役員もいるが、それではさすがに利益が出なくなってしまうため、却下した。
 サラリーマンの感覚を知るために、日頃からハイヤーは使わず、電車で移動している。時には競合する飲食店やファストフード店にも立ち寄る。ハンバーガーや牛丼を食べてみることもある。それは、数ある外食産業の中で、富士そばがどれくらいの位置にあるか、を知りたいからだ。
 富士そばの平均客単価は450円。「これとうちの450円だったら、遜色ないだろうか」「これと同じ値段を出したら、富士そばでは何が食べられるか」「満足度はどちらが上か」など。どれくらいの価格帯なら、サラリーマンがそれほど気にならずに払えるか。競合他社のメニューも含めて食べながら、常に感覚を磨いている。
 それぞれの店舗には、少なくとも年に2回は足を運ぶ。目的は大きく2つあり、1つは売り上げ状況を確認するため。もう1つはお土産の菓子を持ってスタッフを労うため。お土産はいつも、スタッフがめったに食べられないような美味しいお菓子を差し入れるよう、心がけている。
 いつ行くか、は事前に知らせてはいない。行こうと思っていても急な予定が入って行けなくなったり、別のスケジュールがなくなって突然行けることになったりと、予定が立たないからだ。店を訪問する際、混雑時は避ける。昼の忙しい時間帯は慌ただしく、私が顔を出したことで気が散ったら申し訳ないと思うからだ。
 味をチェックするために食べたメニューの代金は、必ず支払う。「会長だから」と特別扱いされるのは苦手だ。店に行っても、他のお客さんと同じように席に着き、ふつうにそばを食べ、料金を支払って帰ってくる。
 最近はコンビニエンスストアが24時間営業をやめるなどの動きも出ているが、立ち食いそばに関しては、24時間営業すればお客さんは来る。例えば、午前7時から午後3時までに入る客数を10とした場合、午後3時から午後11時までは6。場合によってはその前の時間帯を上回る場所もある。午後11時から翌朝の午前7時までは3。つまり、時間帯ごとによるお客さんの入りは10:6:3の割合だ。
 材料費が多少かかったとしても、家賃は固定だし、これならば、深夜の時給を多少高くしても利益は出る。意外かもしれないが、いい物件さえ見つかれば、立ち食いそばほど儲かる商売はないと思う。
(ダイタングループ会長 丹 道夫)

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