2018年12月03日

超伝導風力発電

​​​風力発電機に超伝導体のテープを用いることで製造コストを削減し、約半分の重量と大きさの装置により従来と同じ発電量を生み出すという「EcoSwing」プロジェクトの実験が公開されました。
このEcoSwingはEUが支援し、デンマークで実験が行われているプロジェクト。現在一般的な風力発電機は強力な永久磁石を使用していることから、大量のレアメタルを必要とされました。新技術は発電機のコストダウン、ひいては全世界的なエネルギーコストの削減に繋がるかもしれません。
風力発電のしくみは基本的には自転車のライトの発電機と同じで「磁石をコイルの内部で回転させることで電磁誘導を起こし、電流を発生させる」というものです。
この中核部分には一般的に永久磁石が用いられてきましたが、大量のレアメタル(ネオジム)を必要としてコストが高くつく上に、ネオジムがほぼ中国だけで採掘されているため、安定的な供給が懸念されていました。
新技術を用いた発電機には、GdBa​2​Cu3O7-d(ガドリニウム・バリウム・銅酸化物)のセラミック超電導層を用いたテープが採用されているとのこと。このテープは酸化マグネシウムと銀でコーティングされ、金属中毒への対策もなされています。
超伝導体は電気抵抗がなく発熱の問題もないため、通常の電磁石よりも強力な磁力が発生できます。超伝導と聞くと未来の技術、というイメージを持たれるかもしれませんが、今回の技術はすでに病院のMRI(核磁気共鳴画像法)でも実用化されており、身近なものと言えます。
また、この超伝導体を動作させるためには、低温(零下240度)に冷却する必要があります。このため、耐久性が気にかかるところですが、EcoSwingチームは「病院のMRIと同じ冷却装置を使用するため、耐久性にも問題はない」としています。
本研究に携わるオランダ・トゥエンテ大学の材料科学者Marc Dhalle氏によると「通常の風力タービンの半分のサイズと重量で、同じ電力を供給できる機械が作れる」とのこと。新しい発電機は直径4mで、従来型よりも1.5m小型だと述べられています。

超伝導風力発電



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