そら豆の一番おいしい所、捨ててませんか

リリー

2018年05月08日 04:20

 そら豆を焼いて食べるとき、「春だなー♪」と思います。
さやを天に向けて実ることから、「そら豆」という説もあるようですが、博多のスーパーで見かけるのは殆ど鹿児島産で、「おたふく豆」と表示されている物もあります。調べてみると、そら豆の出荷量は鹿児島がシェア36%で全国1位、次が千葉14%で福岡は9位の2%でした。(2013年農林水産省統計)そら豆の旬は本来初夏ですが、鹿児島では年末から4月が収穫期で、最盛期が3~4月だそうです。やはり九州では、今が旬、ですね。
 うちでは、なるべくさやに入ったままのものを買い求め、さやごとグリルで焼いて食べることが多いです。ちょっと焦げたかなというくらいにしっかり焼くのが好みです。この焼きそら豆、実は夫の一番のお目当ては豆ではなく、さやの内側の豆のお布団の役目を果たしていたであろう、なんとなくトロトロになっているところです。普通、さやもろとも捨てられてしまうアロエジェル状の物体にスプーンをあてがい、真剣なまなざしでそれをこそげとり、口に含んで「あまーい」とのたまうわが夫、そこだけ見ると完全に変なおじさんです。はじめは驚きましたが、真似して食べてみると甘くておいしいではありませんか、以来私も、焼きそら豆のお布団を楽しみに食べるようになりました。まだ食べたことがないという方は、是非一度召し上がっていただきたいたいと、心底思います。お豆より「あまーい」です。もしかして、あなた!、そら豆の一番おいしい所、捨ててませんか?

月刊で新聞に執筆している「辛口リリーのこれ、美味しい」の、「そら豆のお布団」より




美食料理研究家 博多 はつ花 古田ゆかり

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